黄色いタオルと穴あき雑巾
タオル達といったらそれはもう、ピカピカでふわふわで。
台所や風呂場なんかで、仕事をしていた。
一方の雑巾達は、真っ黒でぼろぼろ。すっかり固くなって、薄くなっていた。
雑巾達の仕事は、冷たい水の入ったバケツにとびこんで、家中くまなく拭いていた。
タオル達はそんな雑巾たちを、心の中で笑っていた。
(見てごらん、あの真っ黒な体を!)(ゴワゴワね…)
(おやまぁ!穴だらけじゃないか!)
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そんな家の台所には、明るい黄色のタオルがいた。
仕事熱心な最年長のタオルだ。
彼は毎日、外から帰ったこどもの手を拭いたり、床にこぼした牛乳をふき取ったり。
雨の日には床に敷かれて、びしょびしょの足を拭いたこともある
そんな毎日を続け、知らず知らずの間にふわふわの体はやせていった。
「あら、もうこんなにすそがぼろぼろね。ぬって雑巾にしましょう。」
タオルはものすごくショックをうけた。だって、あんなに真っ黒で
ぼろぼろなやつらと同じになってしまうのだもの…。
そんな思いはそっちのけ、ミシンで縫われて雑巾達のいる棚に
しまわれた。
タオルはとても怖かった。雑巾たちがのっそりと目を開ける。
「おや、新入りがやってきた。」「やあ、ほんとだ。」
「こんにちは、新入り君。なぁに、そんなに怖がることは無い。」
とてもしわがれた声が言った。ぽっかり穴の開いた雑巾だ。
「わからないことは、なんでも聞いてくれ。」
そう言って雑巾は笑った。
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その日から、タオルの仕事が変わった。
雑巾たちは次々に、冷たい水の入ったバケツに飛び込んだ。
タオルは嫌で嫌でたまらなかった。それでも水の中にとびこんで、ブルルっと身震いをした。
穴あきの雑巾がこう言った。
「ようし、まずは窓ガラスをキレイにしよう。」
雑巾たちは、ガラスを拭き始めた。
タオルも一緒になって拭き始めた。するとどうだろう
曇っていた窓ガラスが、ピカピカになっていく。タオルはなんだかうれしくなった。
窓ガラス、戸棚に本棚、床の隅々。
タオルはもう夢中になって拭いた。自分の体が真っ黒になるのも気にならなかった。冷たい水にも次第になれた。雑巾たちとも仲良くなった。
穴あき雑巾はそれからいろいろな事を教えてくれた。
(今までこんなにやりとげた気分になったのは初めてだ)
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あるときタオルは気がついた。
穴あき雑巾も、昔はタオルだったこと。穴あき雑巾はこう言った。
「ワシも君と同じで、雑巾にされてしまうことがショックだった。でも ね、ずっとふわふわのタオルであるなんて、無理なんだ。ほつれる、ほころびる、固くなる。穴もあくとも。最初はひどくとまどったものさ。でもそこで、ポイっと捨てられるより、ミシンできれいに縫ってもらって、働けるんだ」
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黄色いタオルはそれから、立派な黄色い雑巾になった。
しまったけれど。
黄色い雑巾は思った。
新しく雑巾として生まれ変わったタオルがきたら…
穴あき雑巾が教えてくれたことを、全部教えてあげるんだ。
バイト先で、雑巾見ていたら思いつきました。
全部読んでくれた方長々お疲れさまでした。
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